外貨のリスクはコワイ?外貨建て資産を理解しよう!

モノやサービスの価格が上昇するインフレ(インフレーション)には様々な要因がありますが、その中の1つは円安、つまり自分たちの通貨の価値が下落してしまうことです。

前回の「インフレ対策で外貨建て資産を持とう!」では、インフレ対策として、外貨建ての資産を保有していくことが大切であることをご説明しましたが、今回はそもそも外貨建て資産とは何なのか、についてご説明させていただきます。

日本から見た外貨建て資産は、その国では自国通貨建て資産

一般的に個人の方が保有している資産で代表的なものは、現預金、債券、株式、不動産といったところです。株式や債券など直接保有する場合もありますが、投資信託という金融商品の形の方が少額から手軽に分散して保有することができます。

日本から見た外貨建て資産は、その国では自国通貨建て資産

これらの資産は日本円建てのものもあれば、米ドル建て、ユーロ建てなど外貨建てのものもあります。外貨建てはリスクがあって怖いと思われるかもしれませんが、現地の方から見たらそれぞれが自国通貨建ての資産になります外貨だからといって、何か特別なものと考える必要はないのです

外貨建て資産は日本人にとって2階建て

ここで、米ドル建てで株価が表示されている米国株式について考えてみましょう。1株あたり$50の米国株式が1年後に20%上昇するか、20%下落するかの2パターンだったとします。すると、株価はそれぞれ$60もしくは$40となります。アメリカの人にとってはこれでおしまいですが、私たち日本人にとっては、この1年間の為替の動きが気になるところです。

外貨建て資産は日本人にとって2階建て

もともとドル円は1米ドル100円だったとして、1年間で±5円変動すると仮定してみます。すると、今考えている米国株式の最終的な円建てでの評価額は図の中にあるような4パターンになります。ここではシンプルに上がるか下がるかの2パターンで考えていますが、実際には様々な可能性があります。

いずれにしても、日本人にとって外貨建て資産を持つということは、株式そのものの価格が上がるのか、下がるのか、ということに加えて、日本円と現地通貨の間の為替レートがどのように変動するか、という2階建てでの値動きのリスクを取ることになるのです。

前回の記事では、インフレ対策として、購買力を維持するために外貨建て資産を持とう、とご説明しましたが、その際の外貨建て資産として、預金や債券のように為替リスク以外の価格変動リスクが低い資産を持つか、株式や不動産のように価格変動リスクも大きな資産を持つか、考えていく必要があります。一般的に、株式や不動産は価格変動リスクが大きいですが、その分、期待できるリターンも大きくなります。

インフレ対策なら、為替ヘッジをしてはいけない!

外貨建ての資産を対象とする投資信託の中には、「為替ヘッジあり」、「為替ヘッジなし」という2つのパターンが用意されているものがあります。為替ヘッジというのは、一定の費用(ヘッジコスト)をかけることで、為替レートが変動しても円建ての評価額が変動しないようにするものです。

しかし、前回の記事でご説明したように、購買力を維持するためには為替ヘッジされていない外貨建て資産を保有することが大切ですから、為替ヘッジをしてしまうと円安になったときの購買力を維持するという目的が達成できなくなってしまうのです。

最後に

日本で生活している人は、通常は日本円の収入があり、日本円の支出をし、資産もほとんどを日本円で保有しているかと思います。しかし、インフレ対策としては、円建てのみではなく、外貨建て資産も含めて保有していくことが大切です。 外貨はコワイ!といった先入観を持つことなく、外貨建て資産を保有していくことにも少しず慣れていっていただければと思います。

著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/
YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :
https://www.youtube.com/channel/UCLAKtSh8TLpEA19PyD2cuOA

イラスト@mofusand

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