米国株の買い方が知りたい!

近年、高い成長と収益性のある米国株に人気が集まっています。そんな米国株に投資するには、どのようにしたらよいか解説します。

米国株の買い方が知りたい!

米国株のメリット

米国株のメリット

米国株式とは、世界最大の経済大国であるアメリカ合衆国の株式市場に上場されている株式のことです。日本の株式と比較したメリットとして、高い成長性や高配当銘柄が多いこと、配当頻度が多いこと、1株から購入できることなどが挙げられます。

高い成長性や高配当銘柄が多い

日本経済は過去30年成長が停滞してきましたが、アメリカ経済はリーマンショック、コロナショックを経験しながら大きく成長しており、NYダウやS&P 500などの米国株の指標もそれに連れて大きく成長してきました。

特に、NASDAQに上場するIT・ハイテク系企業の成長は特に著しいもので、現在では世界の時価総額ランキングの上位を占めるほどの急成長を見せています。米国株には大きな成長を遂げた銘柄が数多く存在し、それらの企業に投資していることは株価も上昇しやすく、また、日本の株式に比べ高配当な銘柄や毎年配当が増額する銘柄も多いため、米国株への投資は高い収益が期待できるでしょう。

配当頻度が多い

配当を支払う頻度も日本株は年に1~2回の銘柄が多いのですが、米国株は年4回支払う企業が多くあります。このように、高い成長性や高配当、配当の頻度が大きな理由となっています。日本の株式のように株主優待は行っていませんが、代わりに配当は日本の株式よりも高くなっているのです。

1株から購入できる

また、近年では日本株も1株単位で取引できるサービスが普及してきました。しかし、原則的に日本株は100株単位(単元と言う)で取引されており、ある程度まとまった金額が必要となります。一方で、米国株は1株単位から取引でき、少額でも投資できることがメリットと言えるでしょう。

ただし、米国株の場合はストップ高・ストップ安がないこと、取引時間は米国との時差のため日本時間で深夜になることなど、為替リスクも加味しなければならないといった注意点があります。

ストップ高・ストップ安とは、1日の株価の上昇や下落を一定の変動の幅を制限するための制度のことです。一度相場がストップ高・ストップ安となった場合、その日の取引はストップ高以上、ストップ安以下の株価で取引できなくなります。代わりにサーキットブレーカーという仕組みがありますが、このように日本の株式の取引とは異なるルールもあるため、これらの違いはしっかり理解しておくことが大切です。

深夜の時間帯でリアルタイムに取引できる

米国市場は米国東部時間9:30〜16:00で開場し、同時間帯のプレマーケットと16:00~20:00のアフターマーケットに分かれており、日本時間では、深夜23:30~翌朝6:00となっています。ただし、平日の日中に開かれる日本の市場は仕事の時間と重なり、取引が難しいという人もいるでしょう。そんな人にとって、深夜の時間帯でリアルタイムに取引できる米国株式は相性が良いかもしれません。

米国株は米ドルで購入するため、為替の変動による利益や損失が発生します。日本株よりもハイリスク・ハイリターンになっているので、その点も理解しておきましょう。また、日本の企業に比べて米国企業の情報は入りにくく、投資の判断に必要な情報を収集できる媒体を確保しておくことも重要です。

米国株の買い方

米国株の買い方

米国株式の購入方法は、基本的に日本の株式と同様です。日本の証券会社で米国株式の取引口座を開くことで取引が可能となり、現在ではネット証券で手軽に開設できます。

口座を開設したら、次に米国株を購入するための資金を準備しましょう。購入資金は米国株式ですので、米ドルで購入することになります。この時、外貨決済か円貨決済かを選ぶことが可能です。外貨決済とは、投資家が自分で円をドルに換え株を売買する方法のことです。

すでにドルでの預金を保有している場合には、ドルを使って購入することができます。これに対して、円貨決済とは証券会社が円をドルに換え株を売買する方法です。投資家は円で決済できますが、この際は原則的に手数料が発生します。

また、NYダウ、S&P5000といった米国株の株価指標の構成銘柄に分散投資できる、投資信託やETFなどの商品によっても購入することが可能です。複数の米国株に分散投資することでリスクを低減しながら、米国株の成長を利用することができます。

証券会社によってはCFD取引で米国株を取り扱うことも可能

証券会社によってはCFD取引で米国株を取り扱うことも可能

米国株はCFDでも取引することができます。CFD取引とは「差金決済取引」のことです。少額の証拠金を預託し、取引開始時と終了時の価格差により決済が行われる差金決済デリバティブ取引の一種となります。利益・損失の差金のみを決済する取引方法で、現物の売買は行いません。レバレッジの仕組みを利用することで手元資金より大きな取引が可能で、少ない資金でも大きな取引を行うことができます。ただし、大きなリターンが狙える反面損失が発生した際のリスクも大きなものになりますので注意しましょう。

米国株でのCFD取引はLINE証券でも可能で、米国株が0.1株という少額で始めることができます。また、米国株のみならず米国株のETF、国内株、コモディティなど幅広い金融商品へ投資でき、米国株の代表的な指標であるS&P500にも投資することが可能です。

経済情報や市場変動などの投資判断に重要な情報もLINEのアプリでタイムリーに届き、見やすい取引画面で簡単に操作できます。使い慣れたLINEアプリから取引を始められ、常にLINEで最新情報を得ながら高度な取引オプションを利用でき、取引アプリも完備しているため大変便利です。

米国株の取引所

米国株の取引所

米国株を取引する市場は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)などの取引所で行われます。NYSEは時価総額では世界最大の証券取引所であり、ナイキ、ディズニー、コカ・コーラなどの世界でも有名な歴史のある優良企業が上場しています。

ナスダック(NASDAQ)は成長力に富んだGAFAMとして有名なグーグル(Google)やアマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)をはじめIT・ハイテク系の新興企業が多く、ベンチャー企業の市場と言われています。今や世界を代表する企業が上場していることから、NYSEに次ぐ証券取引所です。

シリコンバレーのハイテク株やIT関連の新興企業の株の占める割合が高く、ベンチャー企業向けの株式市場ではありますが、現在ではアメリカを代表する世界的な大企業となったGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の銘柄が上場しているほか、ネットフリックスやテスラや近年注目を集めている銘柄もある株式市場となっています。このように、それぞれの市場によって上場されている銘柄に特徴があります。

米国株を購入する際の注意点

米国株を購入する際の注意点

米国株を購入する際の注意点は、日本株と同様に決算書を見て財務状況を把握することです。また、その会社の事業内容や市場の動向などの情報から、成長の期待度を調査しましょう。決算書からは特にROEや売上高、利益成長率などに注意し、前期分だけでなく過去どのように推移してきたかを確認してみてください。企業のホームページから決算書を見ると英語表記されていますが、日本語に翻訳された内容を見ることができるサイトもありますので、必要に応じてサイトを活用しましょう。

また、日本株のストップ高・ストップ安に似た制度ですが、サーキットブレーカーに注意が必要です。アメリカにはストップ高・ストップ安という制度はなく、代わりにサーキットブレーカー制度があります。サーキットブレーカー制度とは、相場が異常な変動を起こした時に取引を一度中断することで相場の過熱を鎮め、投資家が冷静な判断ができるようにするための制度です。電流が流れ過ぎた時に、発熱などを食い止めるため電源を落とす電気回路の遮断器(サーキットブレーカー)と似ている制度であるためこのように呼ばれます。

また、配当に掛かる税金に注意してください。米国株の売却益は米国内で課税されませんが、配当は米国内でも二重で課税されます。米国株の場合は利益に対して10%が課税され、さらに日本でも国内株同様に20.315%が課税されるため、合計30.315%が課税されます。国内株式でしたら20.315%のみの課税になりますので、米国株の方が10%多く税金を払うことになるのです。
ただし、外国税額控除という二重課税を還付される仕組みがあるので、確定申告を行うことで還付を受けることもできます。支払う税金の金額にもよりますが、米国株を購入する場合は確定申告を行った方が良いでしょう。

まとめ

まとめ

米国株式の買い方やメリット、注意点などを解説しました。米国株式は、これまでに大きな成長を遂げた銘柄も多く見られます。中でもGAFAMなどのIT・ハイテク関連の銘柄は新興企業から、今や世界の株式の時価総額ランキングの上位を占める巨大企業に成長しており、日本人の投資先としても人気です。

過去30年程の間にわたって低迷してきた日本経済に対し、アメリカ経済はこれまでにも大きく成長してきました。その結果、30年前には世界の時価総額ランキングでは日本企業が上位の大部分を独占していましたが、現在では上位の大部分は米国企業に入れ替わる程に米国株は大きく成長しています。アメリカ経済はリーマンショックなどの不況も乗り越えながら大きく成長し、これからもまだ成長も期待できるのではないでしょうか。これからの経済の展望を見つつ、高い収益性を期待できる米国株への投資を考えてみるのも良いでしょう。

監修者プロフィール

渡辺 智(ワタナベ サトシ)
FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>
大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融を分かりやすく伝えることをモットーに活動中。