FXのエントリーポイントとは?

FXのエントリーポイントとは何か? どのような点に注意していけば良いのか、詳しく解説します。

FXのエントリーポイントとは?

FXのエントリーポイントとは?

FXのエントリーポイントとは?

FXにおいて「エントリー」は新規でポジションを持つこと、買うこと、売ることを意味します。エントリーポイントというのは、このポジションを保有する場所を指し、FXでは、このエントリーのタイミングを知ることがポイントになります。

FXで新規に買い注文を出すことを「買いエントリー」、売り注文を出すことを「売りエントリー」と言います。FXは通貨を保有したポジションを決済して利益を狙うため、エントリーのタイミングが重要です。エントリーポイントが適切でなければ、利益が出る状態で決済できなくなります。どのように見つけていけば良いか、どのような点に注意すべきかを確認していきましょう。

エントリーポイントの見つけ方

エントリーポイントは、どのように見つけていけば良いでしょうか? FXで利益を得るには、相場の状況からエントリーポイントを判断していくことが重要です。相場は小刻みに上下しながら、大きなトレンドが形成していきます。

一般的に、トレンドは相場の大きな波を示すもので、トレンドの方向へ進むよう強い力が働きます。相場は上下を繰り返しながらも、平均的には大きな波のような形を形成する傾向にあり、その大きな波の方向がトレンドです。

エントリーポイントの見つけ方

上昇トレンド

上昇トレンドとは、相場が右肩上がりに上昇していく状態のことです。相場が上がったり下がったりを繰り返しながら、上昇していくことを言います。

上昇トレンドでは、チャートの安値を結んだサポートラインを引きます。サポートラインは過去の相場の下値と下値を結んだ線のことで、「下値支持線」とも呼ばれるものです。相場が下降した際にこのライン近くまで値下がりすると、買いが増えて下げ渋る傾向があり、この位置から反転するパターンが多く見られるでしょう。上昇トレンドにおいては、サポートライン付近がエントリーポイントと言えます。

下降トレンド

上昇トレンドの逆で、相場が右肩下がりに下降していく状態です。上昇トレンドでは安値を結んでいたのに対し、下降トレンドではチャートの高値を結ぶレジスタンスラインを引きます。

レジスタンスラインとは、過去の相場の上値と上値を結んだ線のことで、「上値抵抗線」とも言います。相場が上昇した時にこのラインの近くまで値上がりすると、売りが増えて価格の上昇から下降への転換点となるパターンが少なくありません。下降トレンドにおいては、相場の高値を結んでいるレジスタンスライン付近がエントリーポイントとなります。

ブレイクアウト

レンジ相場やサポートライン、レジスタンスラインから一気に相場が動き出すことを、ブレイクアウトと呼びます。これまで持ち合っていた相場がサポートラインやレジスタンスラインを超えると、急激に上昇、もしくは加工の方向に動き出します。そのためサポートライン、レジスタンスラインからブレイクアウトしたポイントが、エントリーポイントとなります。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスとは、相場が上昇局面に入ったサインです。ゴールデンクロスは中長期の移動平均線を、短期の移動平均線が下から上へ突き抜けて上昇している状態を言います。短期と中長期の移動平均線の向きがともに「横ばい」「上向き」の状態であればゴールデンクロスです。ゴールデンクロスが発生すると相場が上昇トレンドに転換することが多く、買い注文のエントリーポイントとなります。

デッドクロス

デッドクロス

デッドクロスとは、ゴールデンクロスの反対で相場が下降局面に入ったサインです。MACD(短期線)がシグナル(中長期の線)を上から下へ突き抜けてクロスしています。デッドクロスが発生すると下降トレンドになる可能性が高く、売り注文のエントリーポイントとなります。

チャートを分析していくと、このようなサインが見られることがあります。これらのサインを見つけて、判断していくことが重要です。

エントリーポイントがわからなくなる要因

エントリーポイントがわからなくなる要因

ここまで、エントリーポイントとなる相場のサインについて解説してきました。トレードを行っていると、エントリーポイントがわからなくなることもあるものです。では、なぜわからなくなってしまうのか、どのように考えていけば良いのかを解説していきます。

自分が正しいタイミングで取引をしているかわからなくなる

FXにはここまで解説してきたようなパターンがあり、確率的にはそのパターンを読んでエントリーしていることで利益を得やすいものです。しかし、必ずしもパターン通りに動くわけではありません。時には、パターンと逆の動きを見せることもあります。

また、サポートラインヤレジスタンスラインの引き方によって、エントリーポイントを間違えてしまうこともあるでしょう。そのようなことが続いていると、自分が正しいタイミングでエントリーできているかが不安になり、セオリーから外れた行動をしてしまうことがあります。

利益を追い求めタイミングを見失う

利益を追い求めるあまり、エントリーのタイミングを逃してしまうことがあります。もっとも下がったタイミングで買い、もっとも上がったタイミングで売ることができれば効率的に利益を得ることができますが、そのタイミングを見定めることは難しいものです。そのため、上昇・下降ともに利益を追い求めてタイミングを見計らうあまり、エントリーのタイミングを逃してしまうことがあります。あらかじめエントリーのタイミングを決め、利益を追い求め過ぎずに感情を抑え、機械的にセオリー通りに取引していく方が良いでしょう。

相場の見方がわからなくなる

FXに取り組んでいると、相場の見方がわからなくなるのはよくあることです。サポートラインやレジスタンスラインを引く際にも、高値と安値をキレイなラインで結べることは稀ということもあります。そのため、エントリーポイントがわからなくなってしまうのは珍しいことではありません。
このような場合、無理にエントリーすると相場が読めていない状態でエントリーすることになります。その結果、損失が発生する可能性が高くなりますので、無理に取引をしないことが大切です。

エントリーポイントで失敗しないためには

エントリーポイントで失敗しないためには

ここまで解説してきたように、相場はエントリーポイントをいつもはっきり示してくれるわけではありません。その時には焦ってすぐ注文しようとせず、トレンドを見極めましょう。トレンドがわからずにエントリーするのは、分析している意味がなく危険です。

また、保有したポジションに固執しないことも大切です。相場を予想してポジションを保有しても、予想に反した値動きをすることはよくあります。予想から大きく変わっているのに保有するポジションに固執し続けると、損失を大きくしてしまうことになります。相場を100%予想することは不可能なことです。損切りするラインを事前に決めて、予想に反した動きになったらポジションに固執することなく、すぐに損切することも必要です。

そして、自分の取引スタイルを見直し、初心に帰ることです。FXのトレードには基本があり、基本こそが利益を得やすいパターンと言えます。トレードをしているといつの間にか基本から外れ、自分流になってしまっていることもあるでしょう。一度、自分の取引スタイルを見直し、基本に立ち返ってみてください。

また、相場がわからない時は無理にエントリーせず、読みやすい相場が来るまで待っても良いでしょう。相場の動きにはパターンがあり、セオリーに沿って取引することで利益を得やすいものです。しかし、当然のことながら、必ずしもその通りになるとは限りません。キレイなパターンが現れても、予想に反した値動きになる場合はあります。そんな場合の損切のポイントをあらかじめ設定しておくなど、損失にいかにして対策するかも重要です。

とはいえ、複数回取引を行っていれば、各パターンの特徴の動きを見せやすくなります。相場がわからなくなった時には大きな金額、レバレッジでは取引せずに、初心に戻りながら徐々に取引額やレバレッジを大きくしていきましょう。

まとめ

まとめ

FXのエントリーポイントについて解説しました。FXでは、エントリーポイントを見つけることがとても重要です。そして、エントリーポイントを見つけるためには、チャートから適切なタイミングを判断していかなくてはいけません。そのタイミングは、チャートに現れるパターンを見つけることから考えていきます。

ただし、チャート上には必ずしもキレイなパターンが現れるわけでなく、判断に迷うことも多いでしょう。また、キレイなパターンが出現したからといって、必ずパターン通りに相場が動くとは限らず、予想に反した値動きをすることも多々あります。

そうすると、エントリーポイントがどのタイミングなのか、自分のトレードの仕方が正しいのか迷うこともあるでしょう。また、チャートがどのパターンが出現しているのかよくわからないまま、エントリーしてしまうこともあります。

この「よくわからない」という状態では、チャート分析をしている意味がありません。これから先どう動く傾向にあるかわからずにエントリーしているのと同じです。慣れないうちはラインの引き方やチャートのパターンを見誤ることもありますので、ある程度わかりやすいパターンが出現するまで、エントリーしないというのも大切です。また、予想に反した動きをした際に、どこで損切りするかをあらかじめ決めておきましょう。

FXには、ここで解説したようなエントリーポイントを見つける基本があります。その上で自分のルールを決め、感情的にならず機械的にこなしていくことが失敗しないコツです。慣れてくると、経験値から少しわかりにくいパターンでもわかるようになってくるでしょう。まずは基本を学び、どのようなパターンでどのタイミングでエントリーすべきかを知ることです。そして、少額からトレードを始めてみて、基本を守りながらトレードを行っていきましょう。

監修者プロフィール

小川 洋平(オガワ ヨウヘイ)
日本FP協会認定 CFP®、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表

<プロフィール>
25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。