ドル/円以外にもおすすめの通貨ペアは?それぞれの特徴を解説!

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ドル/円以外にもおすすめの通貨ペアは?それぞれの特徴を解説!

米ドル/円以外にもある、魅力的な通貨ペア

外国為替市場での円安推移が続いています。米ドル/円相場は、2022年10月に32年ぶりとなる1ドル=151円台を突破しました。その後は、行き過ぎた円安に歯止めをかけるため、日本政府による24年ぶりの為替介入などもあって調整に入り、2023年の1月には127円台まで押し戻されました。ところが、4月以降は再び円安が加速し、2023年6月では143円台に乗せてきました。

米ドルに対して円安が進行している理由の一つに、日米の金融政策の違いが挙げられます。米国では、2022年6月以降、インフレを抑制するために度重なる利上げが行なわれてきました。一方、日本では2023年も低金利政策が継続しています。つまり、日米の金利差は広がり続けているというわけです。一般的に投資マネーは、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨に流れます。つまり、円を売って、米ドルを買う動きが活発化しているわけです。

【円安進行が続くドル/円相場】

FXで、円を売って米ドルを買っている投資家は、為替差益に加えて、日米の金利差によるスワップポイントのダブルメリットを享受しているはずです。スワップポイントは利息のようなもので、金利の安い通貨を売って、金利の高い通貨を買うことでその金利差分を毎日受け取ることができるというものです。下の表は、スワップポイントと関わりのある各国の政策金利です。

米ドル/円(ドル円相場)の値動きは、日々のニュースなどでも頻繁に流れるため、私たち日本人にとっては最もポピュラーな通貨ペアです。

実際、多くのFX投資家がこの通貨ペアに投資を行っています。しかし、FXには米ドル/円以外にもさまざまな通貨ペアがあります。

たとえば、LINE証券が提供する「LINE FX」には、11通貨からなる23種類の通貨ペアが存在します。そのなかから、スワップポイントが魅力的な的な通貨ペアをまとめたものが下の表です。

【スワップポイントの高い代表的な通貨ペア】

2023年6月現在今後の米国の利上げ打ち止めや利下げへの移行なども指摘されており、場合によっては円安の進行に歯止めがかかるかもしれません。そのようなケースに備えて、米ドル/円以外の通貨ペアやそれぞれの通貨の特徴を知っておくことも重要です。以下は、「LINE FX」で取り扱いのある11通貨についての特徴になります。

各通貨のさまざまな特徴を投資に活かす

日本円

・米ドルやユーロと並ぶ世界の3大通貨
・流動性や安全性が高い一方で、金利は低い
・世界経済の景気減速や地政学リスクの台頭など、有事に買われやすい
・日本が低金利政策から脱却する際には、円高に動く可能性あり


米ドル

・世界の基軸通貨で、取引量が多く、基本的に値動きが安定している
・最近は、米国の金融政策によって大きく変動するケースも
・基本的に、米国の利上げはドル高、利下げはドル安に反応
・重要経済指標の発表などで一時的に変動するケースもある


ユーロ

・米ドルに次いで、世界第2位の取引量を誇る通貨
・ECB(欧州中央銀行)の金融政策の動向などに影響を受ける
・ECBでは、2022年7月より、利上げが継続中
・ラガルドECB総裁は、なお利上げの継続を示唆(2023年6月現在)
・米国が利上げの停止や利下げに転じた場合、ECBも同様の金融政策を行なう可能性あり


英ポンド

・過去は世界の基軸通貨だった英ポンド
・現在では値動きが激しい通貨として知られている
・EU離脱によって、英国経済には多額の損失が生じているとの指摘も
・上記が明らかになる局面では英ポンドが売られる(ポンド安)可能性もある
・値動きが激しいことに目をつけたFX投資家には常に人気の通貨
・基本的には欧州経済の影響を受けやすい特徴がある


豪ドル

・豪州(オーストラリア)の通貨
・過去、豪州は政策金利が高く、高金利通貨として人気があった
・昨今では、徐々に金利が上昇しているとはいえ、政策金利は米国を下回っている
・世界有数の鉱産物や農産物の輸出国で、最大の貿易国である中国の影響を強く受ける
・資源価格の上昇などは豪ドルにとって追い風となる傾向がある


NZドル

・ニュージーランドの通貨
・豪州と同様、中国は最大の貿易国で、中国経済の影響を強く受ける
・過去の傾向では、基本的に豪ドルに連動して動いている
・2008年には政策金利が8.25%もあり、高金利通貨として人気があった
・2023年6月現在の政策金利は5.50%と、当時に比べて低いが豪州や米国より高い

カナダドル

・資源国通貨であるカナダドルは、原油価格との連動性が高い通貨
・原油価格が上昇すればカナダドルも上昇し、下落すればカナダドルも下落する傾向
・地理的に米国と近いこともあり、米国経済の影響を受けやすい
・国の格付けも米国と同程度で、通貨としての安全性が高いのも魅力のひとつ
・政策金利は4.75%(2022年6月現在)と高く、高金利通貨としての魅力も


スイスフラン

・永世中立国でもあるスイスの通貨ということもあって、安全資産との位置付けが高い
・戦争や経済危機といった有事の際に買われる通貨として知られている
・金利も低く、安定した通貨だったが、利上げにより、2023年6月時点では1.75%に上昇
・スイスフラン/円の通貨ペアでは、2023年1月を底に強い上昇トレンドが継続中

南アフリカランド

・南アフリカは政策金利も高く、スワップポイント狙いの投資家に人気の通貨
・新興国通貨ということもあって流通量は少なく、値動きが激しくなりがち
・南アフリカは資源国。なかでも金やプラチナの産出国として有名
・資源国通貨ということもあり、世界経済の影響を大きく受ける通貨
・世界的に景気が良くなる局面では魅力的だが、景気の悪化懸念では大きく値を下げる傾向
・2023年6月現在の政策金利は8.25%です。


メキシコペソ

・メキシコは、新興国の中でも輸出依存度が高い国として知られている
・政策金利は11.25%と高く、スワップポイントが魅力的
・経済も比較的良好で、メキシコペソ/円は、約8年ぶりの高値水準まで上昇
・石油や天然ガスなどの資源国であり、資源価格の上昇はメキシコ経済にとって追い風
・地理的に近い米国経済の影響を受けやすい特徴がある


トルコリラ

・スワップポイントが高く、FX投資家にはおなじみの通貨
・2023年6月現在の政策金利は15.0%ですが、数年前には20%を超えていたことも
・ただ、トルコはエルドアン大統領が再選しており、強権政治が加速する警戒感も
・トルコリラ/円の通貨ペアは、2015年以降下値模索が続いている
・流動性が低く、値動きも荒いのでどちらかというと短期投資向き


 以上のように各通貨にはさまざまな事情や特徴があります。FXは2国間の通貨を売買する金融商品ですので、対象となる通貨や国の状況を把握し、効率よく利益を狙いたいものです。

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