トレードの実例
1-中長期スワップポイント狙いの買いで損失
南アフリカランド/円の高スワップポイントに注目したトレードになります。2022年7月1日から23年6月30日まで1年間、南アフリカランド/円の買いポジションを1万通貨(1枚)保有しました例になります。
スワップポイントは、1年間で4,300円になりました。一方、その間に南アフリカランド/円相場は1ランド=8.3324円から7.6598円まで0.6726円のランド安・円高になり、6,726円の売買損失が発生しました。このため、合計で2,426円の損失(=4,300円-6,726円)になりました。
南アフリカ中央銀行は21年11月からインフレ抑制のための利上げを開始しました。21年10月時点で3.50%だった政策金利は、23年6月には8.25%まで上昇しました。このため、時間の経過とともにスワップポイントの収益は拡大しました。しかし、南アフリカで大規模停電が発生するなど経済活動の停滞を受けて、ランド安・円高傾向が強まり、スワップポイントの利益以上の売買損失が発生したため、全体では損失になりました。
2-スワップポイント支払いだがランド安狙いの売り
南アフリカ全土で大規模な計画停電が行われたため、ランド安・円高狙いで2022年10~12月の3か月間、南アフリカランド/円の売りポジションを1万通貨保有しました。
南アフリカランド/円相場は9月末の1ランド=7.9703円から12月末の7.7036円まで0.2667円のランド安・円高になったため、2,667円の売買利益が発生しました。一方、スワップポイントは1,027円の支払いになりました。このため、合計で1,640円の利益(=2,667円-1,027円)になりました。
高金利通貨の売りポジション保有でスワップポイントの支払いが大きくなりましたが、それ以上に南アフリカ経済停滞を受けてのランド安・円高から得られた利益が大きくなりました。
3-高金利とランド高で利益拡大
南アフリカの計画停電が縮小したことで、ランド相場の反発狙いで2023年4~6月の3か月間、南アフリカランド/円の買いポジションを1万通貨保有しました。高金利通貨のスワップポイントも同時に狙っています。
南アフリカランド/円相場は3月末の1ランド=7.4580円から6月末の7.6598円まで0.2018円のランド高・円安になったため、2,018円の売買利益が発生しました。また、スワップポイントが1,193円得られました。このため、合計で3,211円の利益(=2,018円+1,193円)になりました。
ランド/円相場の反発狙いの買いポジションが予想通りに利益を出しましたが、更にスワップポイントの利益も上乗せされたことで、全体の利益が大きく伸びました。ランド高の利益とスワップポイントの利益が同時に発生する理想的な結果になりました。
(注)為替レートはRefinitivのデータ、スワップポイントはLINE証券の実績値です。証拠金は取引金額の4%(=倍率25倍)で計算しています。売買シミュレーションのため、将来の利益・損失を約束するものではありません。
2023年8月作成
レポート作成元:マーケットエッジ 代表取締役 小菅努
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